まつけつの仮釈中日記

おまつの仮釈中日記

大麻の密輸で懲役6年半務めた僕の回顧録的なブログ

刑務作業を通じて学んだ仕事の生産性の上げ方

刑務所で行う仕事は刑務作業と呼ばれ、

その作業の対価として、国から作業報奨金というものがもらえる。

 

要するに、刑務所での労働にもしっかりと時給が発生するということです。

 

おそらく、刑務所を知らない人が気になるのは、どんな仕事があって、一体いくら給料をもらっているの?

ってとこだと思うけど、ほんとに色々な作業があるからぜひググってみてほしい。

 

給料に関して言うと、俺なんかは初月の時給が確か・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2円

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だったはず。

雀の涙って言葉を初めて使ったくらい衝撃的な時給だった。

しかも2円の後に44銭とかっていう、見たことのない単位で時給が発生していたのを今でも覚えている。

 

その時たしか、こらえきれずに刑務官に質問してみたんだけど、

 

 

ま「す、すみません。銭ってなんですか?僕は銭をもらえるんですか?」

 

刑「ばかおまえ、銭は100銭で1円になるんだろうが。1円になったら使えるようになるんだからそれまで待っとけ」

 

 

という回答を得て、深く納得した覚えがある(笑)

純粋に、ああ、なるほどねって思ったもんな。

 

 

そんなこんなで、懲役生活5年3ヶ月、平日はほとんど休まずに毎日朝から晩まで働いて貯めた作業報奨金を、出所時に国からもらったわけだけど、その額なんと、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

25万円

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友達に話したら、結構あったんだねって言われることも多いんだけど、よく考えてみてほしい。

単純に割っても年収5万円⇛月給4000円⇛日給200円。

これって結構多いのか!?

俺としては、え、これ大丈夫!?俺はこの資本主義社会で本当に社会復帰できるのか!?って不安になる金額だったのだが。

 

結果的には無事に社会復帰できてるんだけど、それも家族や友人のたくさんの援助があったからで、一人でなんとかしろって言われたら結構厳しかったんじゃないかな。そうなったらそうなったで国が用意している様々な制度を利用して、しぶとく生きていたんだろうけど。

 

 

そんなこんなで、社会生活を営む多くの人達と同じように、俺も長年フルタイムで働いてきたわけで、仕事について考える時間は割と多かったと思う。

 

そこで、俺が刑務所での仕事を通じて学んだことを、簡潔に言ってみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕事は、仕事から価値を見出そうとするんじゃなくて、価値を設定してからすべきもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はまあ大体、ハンガーのシール剥がしとか、スプーンの袋詰めとか、ビニール袋にチラシを入れるとか、紙袋を作るとか、鶴を折るとか、そういう迫力のある仕事を刑務所の中でやってきたわけなんだけど、

 

 

控えめに言っても、あれはやっぱり無駄な時間だったなぁと思う。

 

 

自分にとって価値のない仕事を、どれだけ努力して数こなしたところで、何も生まれなかったし、何も得られなかった、と今でもはっきりと言える。

 

無駄に思える膨大な時間を過ごしたことで、仕事とは、

 

仕事から価値を見出そうとするんじゃなくて、価値を設定してからすべきものだ、と身にしみて思った。

お金を稼ぐためにこれをする、貧しい人々の助けになるためにこれをする、世の中のここを変えるためにこれをする・・・等々。

自分がすべきでない仕事から、価値を見出そうとする時間は非生産的。

しかもそういう時って、どんな価値があるのかわかっているからこそ無駄だと感じてるわけで、価値を見出そうとする行為はただのこじつけに過ぎない。

 

 

 

 

だから俺は、そういう非生産的な時間は過ごさずに、自分にとって価値がある仕事しかしない。

仕事も人生も、常に生産性上げまくっていきたいからね!

 

 

 

 

限りある人生の時間、仕事を通して得られるだろう価値を設定してから、その価値を得るために本気で努力して仕事をすべきだと、刑務所での膨大な無駄な時間を過ごしながら感じたのでした。

 

 

 

 

 

 

ね(川≦ °  )